遺産相続手続きをするための解説書がベストセラーになるほど、その手続きは煩雑で大変です。慣れればどうということのない手続きなのですが、人生で相続に直面する場面は多くないですし、慣れるまではいかないものです。
相続手続きに際しては、死亡届の提出からスタートします。遺言書が見つかった場合、相続人が複数いる場合など疑問があれば、弁護士に相談するといいでしょう。手続きは煩雑ですが、必要書類をそれぞれ集めていけばいいのでそれほど難しいこともありません。自治体が行政相談会を実施していることもあるので、うまく利用するといいでしょう。
遺産相続手続きによって、お金を沢山受け取れると思っている人も多いのですが、実は借金についても引き継ぐことになります。遺言書には借金が書かれていなかったので、借金を抱えていないと思ったら後から判明することも多いのです。
そのため、遺産相続手続きを行う前に、マイナスの遺産についても確認を取ることが重要です。借金を抱えていたり、残されている負債が大きくなっている場合は、相続放棄によって遺産を捨てることも必要になるでしょう。受け取れる金額よりも、残されている借金のほうが圧倒的に多い状況であれば、相続放棄の手続を行うのが得策になることもあります。
遺産相続手続きの一つである遺言書の作成は、一見すると難しそうですがそれほど難しく考える必要もありません。全文を自筆で書くことに加えて、署名、押印して日付を書けばいいのです。パソコンで作成すれば簡単で楽ですが、偽造される心配もあり認められません。
日本では、書面の最後に判子を押して文書の作成が完結するという慣行があるので、判子を忘れてはなりません。伝えたいことがまとまらなかったり変わったりして、遺言書を何通も書く人もいますが、最新の日付のものが故人の最終的な意思となります。そのため、日付の記載も必要です。
煩雑な手続きが多く手間がかかるとされる遺産相続手続きが、2017年5月末から少しだけ簡素化されました。全国の法務局で、法定相続人全員の個人情報などが書かれた証明書を発行できる制度が開始されたのです。それが法定相続情報証明制度です。
これまでは、相続手続きに必要な戸籍謄本を揃えるだけでも費用がかかり、大きな負担になっていました。新制度がスタートして、法務局に一度必要な書類一式と相続関係の一覧図を提出しておけば、証明書として保管してくれます。それ以降は証明書の写しを発行してもらい、様々な手続きに利用することができます。
故人が亡くなってしまった際に相続を分けるにあたって、場合によっては遺産分割協議を開くことがあげられます。この遺産分割協議と聞いて知っている人は少ないかも知れません。相続人全員が集まり話し合いを行いますので、経験がある相続人が得をしてしまうような可能性もあります。
それであれば、公平を保つためにも法律家や、専門家に依頼してみるのはどうでしょうか。場合には時間がかかってしまうようなこともありますが、そうした法律家や、専門家に仲介してもらうことによって、安心して遺産相続手続きをおこなうことができるでしょう。
故人が亡くなっておこなわれていく遺産相続手続きですが、はじめての人の場合には大分戸惑ってしまうようなこともあるでしょう。さまざまな内容がありますので、誰一人として同様の遺産がありませんので、わかりにくいようなケースもあります。
弁護士においては仲介人としての役割を担ったり、相続人同士の抗争に対応をしてくださったりすることができます。また、司法書士においては不動産全般、税理士については相続税などの対応にあたってくださいます。法律家によっては対応できないような内容もありますので、そのようなことに注意して行っていくことが望まれます。
故人が残した遺産にあたっては、預貯金などのお金もありますが、中には不動産や事業などさまざまな内容があります。中には遺産放棄や限定承認の確定など、早急な期限のものもありますので、段取りをしっかりとおこなっていく必要もあるでしょう。
そこに遺産分割協議が加わってきますので、思い通りにいかないようなケースも予想以上にあるようです。少しでも心配や疑問などが残るようであれば、弁護士などの法律家に対応してもらうことが一番望ましいことでしょう。多くの法律事務所で遺産相続手続きを専門におこなわれていますので、そのような法律事務所を探してみることをおすすめします。